スカラベ広場Ⅱ
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同姓同名
投稿者:
スカラベ・ヒロシ
投稿日:2012年 5月18日(金)09時03分5秒
返信・引用
北九州市(小倉北区)在住の詩人K・Eさんから葉書が届く。
昨年10月、朝日新聞(西部本社版)の家庭面の読者投稿欄「ひととき」で名前を見たので、そのことを年賀状に記していたことへの返事。同じ北九州市内でも、八幡西区在住の別人ということだった。へえ~×2ほど驚く。そういえば、年齢も10歳ほど違ったようだし(70代とばかり思っていたら、80代だった)、中身を読むと、まったくの別人とわかる。いかなる事柄でも、思い込みはいけない。
同姓同名は、著作家同士にも多い。書誌データとしては、生年を記すことで区別する。ボク(S・H)にも、確実に一人はいる(ありふれた姓名なので、世間には無数)。まあ、簿記専門の方のようで、生年も10年ほど年長だから、間違われることはない(だろう)。
かつて知られたのは、ふたりの大島清。同じ経済学者で、生年も同じ。所属大学で区別していたが、現在はどのようになっているかと見たら、(1913-94、金融論)(1913-84、農業経済)と、経済学の専門領域で判別できるようになっていた。
小谷野敦が「出版ニュース」誌上の連載「凍雲篩雪」で批難を続けている国会図書館の新システムだが、検索機能は確かにアップし、(無闇矢鱈と)データが取り出せる。
ボクの「著作」も、記事を含めると何点がヒットするのか(本人も忘れたようなものを含めて)。試みに、新進気鋭のK・Tさん、C・Rさん、T・Yさんを検索してみたら、それぞれ10点いじょうが出てくる。確かに、これでは小谷野が嘆くように、雑誌からのコピー依頼が大変だ。
「復刊 日曜作家」終刊号
投稿者:
スカラベ・ヒロシ
投稿日:2012年 5月17日(木)09時13分1秒
返信・引用
北九州市(八幡)から出ていた「日曜作家」は、3次にわたる長い歴史を持つ。
その、おそらく最終号が出た。発行日は5・15。
創刊同人で、終刊号の編集発行人・深田俊祐さんが、巻末に「回想五十年余」という8ページの文章を書いている。同人の作品も小説5篇、小詩集1篇と「終焉」らしからぬ賑わいを見せている。ただ、自ら責任をもって幕引きをするという強い意思が、窺える(昨秋の福岡市文学館企画展『サークル誌の時代』が、それを促進したという)。
なかなか、送られてくる同人誌までは、きちんと目を通せずにいるのだが、このなかの数篇は、礼状を出す前に、読まなくてはいけない。
叢書2点(その2「南進叢書」)
投稿者:
スカラベ・ヒロシ
投稿日:2012年 5月15日(火)07時53分14秒
返信・引用
奥付の発行年の誤植は、けっこう多い。メルクマールとなる特定の年月日があれば、その判定は容易だが、そうでないときは難しい。まあ、数年の誤差など無視してもいいだろう。
ただ、日本の近・現代史において、1937.7.7、1941.12.8、1945.8.15、1960.6.15(5.19)、1972.5.15、2011.3.11などは常に記憶にとどめたい。本日は、5・15(1932年の五・一五事件もあった)。
さて、南進社の「南進叢書」の2点『海南島』(1941.8)『ビルマ』(1942.3)も初めて見る。
『ビルマ』の方は、奥付では昭和16年3月3日発行となっていて、へえ~12・8の前に出していたのか、と読み出したが、「昨年十二月八日、大東亜戦争の幕は切つて落され」とある。冒頭の「凡例」にも「昭和17年2月」だから、明らかに1942(昭和17)年の誤植だった。
この「南進叢書」は、南方産業調査会編となっている。実態はよく知らないが、国策団体だったのだろう。全18冊の予定で、刊行されたのは、その内の15冊のようだ。
1ニューギニア、2海南島、3仏領印度支那、4タイ国、5ビルマ、6馬来及昭南島、7インド、8豪洲、9南太平洋諸島、10比律賓、11セレベス及属島、12ジャワ及属島、13ボルネオ、14スマトラ、15ハワイ諸島。
以上が、大日本帝国の「南進」の射程に入っていたことになる。ちなみに、未刊の3点の予定は、内南洋諸島、豆南諸島及小笠原、そして台湾及琉球だった!
叢書2点(その1「新日本建設叢書」)
投稿者:
スカラベ・ヒロシ
投稿日:2012年 5月14日(月)08時52分59秒
返信・引用
夕映忌の準備もあって、天狗堂主人の蔵書整理に久しぶりに取り組む。
「雑本」類の整理方針は、なかなか定まらない。戦記・戦争関係は、何百冊かを眺めながら、次第に方針を決める。生前の本人も、なかなか、このジャンルに関しては迷っていた様子が、棚の配置で理解できる。というよりも、蒐集してくる量が、容量を凌駕して、要領を得なくなっている。そんななかに、山田うた子『生きる』の初版帯付き美本が紛れていた。
紙袋に入ったままが、大量に遺されていたが、それらはおおまか片付いた。いや、強引に片付けた。そうでもしないと、通路が確保できなかったのだ。昨年、全面開通した書庫内でも、戦争図書コーナーは戦乱状態が続いていたが、まさに「戦場整理」を済ます。
さて、いつもながら、珍本・稀本を数点見つける。これらには、とても助けられる。
武野藤介『外人の観た日本』(洋洋社、1946.2 新日本建設叢書1)という64頁の冊子が出てきた。洋洋社(洋々社)からは、このあとも数点、武野本が出ている(けっこう厚いコント集なので、読む気にならなかった。この小冊子もコント集)。
この叢書、続巻の刊行は確認できない。『外人の観た日本』奥付には、11輯までの予告が並んでいる。2木村毅『日本とアメリカ』、3長谷川芳三郎『東条軍閥の罪悪』、4本田南一『子供達に聞かせる科学小話集』、5中野五郎『デモクラシイの勝利』、6武野藤介『宣伝敗れたり』、……。
古本ネット検索では、『外人の観た日本』は、思った以上にヒットするから、かなり大量に発行されたに違いない(その売れ行きが悪くて、後が続かなかったのか)。ただ、発行年を1945(昭和20)年としているのは、間違い。これは、奥付の誤植をそのまま記載したものである。
Re: 間宮茂輔
投稿者:
三人の会
投稿日:2012年 5月12日(土)10時03分19秒
返信・引用
>
No.1558[元記事へ]
『葉山嘉樹・真実を語る文学』を紹介いただき、ありがとうございます。
また、間宮茂輔も「忘れられた作家」の一人だと思いますが、 間宮武さんの評伝を取り上げていただき、ありがとうございます。間宮武さん、昨年、『民主文学』に間宮茂輔のことを書いております。
電気爆弾
投稿者:
スカラベ・ヒロシ
投稿日:2012年 5月11日(金)21時41分59秒
返信・引用
武者一雄『生きているビルマの竪琴』(妙義出版、1956.10)のなかに、「電気爆弾」という言葉が出てきた。
敗戦後、日本へ帰還するまで、ビルマの抑留部隊のなかで活躍した合唱団と、そのリーダーだった僧侶の兵士の物語。著者は僧侶/作家だから、自身をモデルにした小説。
「あんな国は、電気爆弾ででもなんでも、目茶苦茶になって滅びてしまえばいい。糞をくらえだ。……天皇陛下がなんだ! 金持ちがなんだ。政治家がなんだ。学者がなんだ。坊主が、そして神官がなんだ。」
この箇所では、「原子爆弾」のことかな? と思ったていど。
「上陸は内地のどこだろう」
「広島は電気爆弾にやられたって云うから、神戸かな、横浜かな……」
ビルマには、「電気爆弾」の呼称で広まっていたのだろうか。戦時中の国内では「マッチ箱爆弾」とも呼ばれていた。
間宮茂輔
投稿者:
スカラベ・ヒロシ
投稿日:2012年 5月 9日(水)22時06分20秒
返信・引用
編集済
以前から間宮茂輔(1899.2.20~1975.1.12)は、気になる作家だった。
『あらがね』『党員作家』など、数冊は手元にあったが、なかなか読む機会を得ずに来ている。葦平と芥川賞を競った作家としても記憶していた。ほか、海軍報道班員などでも名前を見る。小山書店や新日本文学会との関係も興味深かった。
『党員作家―愛と智においてすべてを―』(同光社出版、1958.12)では、すぐにモデルがわかるような登場人物ばかり。中野重治(永野繁春)・徳永直(徳川潔)・田中英光(畑中映光)・野間宏(野村寛)等々、きわめて大勢。1950年代、「人民文学」との「分裂」抗争から合同の時季を扱っている。
甥(茂輔の弟・直香の長男)の間宮武『六頭目の馬―間宮茂輔の生涯―』(武蔵野書房、1994.11)も面白く読む。武は真崎浩の筆名による「日通文学」掲載の作品で第38回芥川賞候補にもなっている。この時の受賞は開高健。
間宮茂輔の父・祖父は福岡県田川郡香春の出身、堺利彦とも縁戚になるという。
ただし、『六頭目の馬』は誤植が多い(たとえば菊地寛)。代表作「あらがね」を2度書き直したことも触れない(生前最後の著書は、1969年の『広津和郎』ではなく、1974年の『あらがね』定稿版)。旧漢字の一部使用も感じが悪い(引用箇所だけでなく、本文にも無原則に使用)。原文どおりのつもりだろうが、そもそも字体の基本が違うのだから新旧の混在は見苦しい(昨今の日本語文学に関する論文などでも、固有名詞に限らず「原文どおり」のつもりが多くて、とても読み辛い。気にせずにおればいいのだが、職業柄、よく漢字の間違った使用例が目につく)。
葉山嘉樹
投稿者:
スカラベ・ヒロシ
投稿日:2012年 5月 4日(金)13時36分14秒
返信・引用
三人の会編『葉山嘉樹・真実を語る文学』(福岡・花乱社、2012.5 花乱社選書3 本体定価1600円)が出た。
楜沢健・佐木隆三・小正路淑泰ほかの執筆。「葉山嘉樹と現代」「人と文学」「回想とエッセイ」の3部構成。三人の会とは、福岡県豊津町(現・みやこ町)出身の堺利彦・葉山嘉樹・鶴田知也の顕彰と研究を続けている団体(正式名称は、「堺利彦・葉山嘉樹・鶴田知也の三人の偉業を顕彰する会」)。豊津からは、ほかに小宮豊隆や前田俊彦も出ている。作家でいえば、「ベンゲツト移民」「交換船」の大石千代子と、生石久子姉妹も豊津生まれ。
たまたま、先日、角川文庫版の『セメント樽の中の手紙』(2008.9)も入手していた。小林多喜二『蟹工船』ブームのときに出ていたものだ。
なお、花乱社選書は、文学・思想のアクチャルなシリーズにしたい意向のようだ。2冊目は石瀧豊美『筑前竹槍一揆研究ノート』だが、1月刊の松下竜一『暗闇に耐える思想』に続き、3冊目の方が先に出た。
寺田政明
投稿者:
スカラベ・ヒロシ
投稿日:2012年 5月 1日(火)08時34分45秒
返信・引用
『丸山豊の声』の副題「輝く泥土の国から」は、丸山の「光る砂、輝く泥」というエッセイも踏まえている。
この一文は、福岡県立美術館の特別企画展「イメージの風土学―“川”の筑後と“海”の筑前―」の図録(1988.3)に寄稿したもの。
「海べの都市の福岡市」に対して、久留米・柳川など「筑後は輝く泥土の国」とする。玄海灘に面した「白砂青松」と、筑後川から有明海の「泥質」を対比させる。画家や文学者の作品や気質に、その風土を単純にアナロジーは出来ないにしても、確かに影響がないとは言えない。
図録に収録された「筑前」の画家には、青柳喜兵衛・児島善三郎・中村研一・中村琢二・鹿児島寿蔵などに加えて、寺田政明(八幡生、1912~89)・寺田健一郎(福岡生、1931~86)がいる。
福岡出身では、もうひとり寺田竹雄(糸島生、1908~93)もいるが、この3人の「寺田」、まったく縁戚関係はない(はず)。
さて、2008年8月22日に「新鋭文学選書」について書き込んだ(まだ消えていないはず)。この時は、この叢書の統一装幀にまでは、よく把握していなかった。現在のところ、全11冊のうちの7冊ほどが手元に揃った(残り4冊の蒐集は放棄。とてもじゃないが、三島由紀夫『宝石売買』など、手が出ない)。残りも、同一装幀に違いない。この装幀者が寺田政明だった。以下のネット事典によれば、俳優・寺田農の父親でもある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BA%E7%94%B0%E6%94%BF%E6%98%8E
『丸山豊の声』
投稿者:
スカラベ・ヒロシ
投稿日:2012年 4月30日(月)09時45分26秒
返信・引用
松原新一編著『丸山豊の声―輝く泥土の国から―』(福岡・弦書房、2012.4 本体定価1900円)が出た。
丸山豊への生前のインタビューに、丸山に関する座談会2本を加える。随所に谷川雁の話も出てくるので、その側面からも興味深い。
安西均の随筆集『真珠と鉛筆―ある学芸記者のひとりごと―』(学風書院、1954.8)に収められた「ポケットについて」のなかに、丸山豊への「葉書回答(アンケート)」があると、山本源太さんが紹介していたので、あわてて出してくる(ただし、2箇所も安西均の「詩集」と間違って紹介)。
丸山のだけでなく、ほかも知りたかったのだ。1949年末に、たぶん夕刊紙「九州タイムズ」掲載のはず。中村地平・坂本繁二郎・玉井政雄・今官一・劉寒吉・春山行夫などに加えて、なぜかイニシャル扱いになったのには、T・S(竹下しづの女)、Y・Z(吉岡禅寺洞)、N・T(二宮冬鳥)という俳人・歌人。
これは、1949年当時の、九州近辺の「著名人」に限るから、やはり谷川雁は登場していなかった。その確認のためでもあった。
以上は、新着順1番目から10番目までの記事です。
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